「ポチはほら、加減てもの知らないから」
「そんなことないよ、ポチは賢いんだから。お手だってできるし、伏せだってできるし、由佳の言うこと何でも聞くもん。噛まないよ、噛まないって。あれは、あれは違うもん、あれはだっておじいちゃんがポチのこと笑ったから、ポチ怒ったんだよ、じゃなきゃあんなことゼッタイしないもん。違うよ違うって、なんで分かってくれないの、そうやってみんなでいじめるからポチ悲しくて、あんなんなっちゃうんだよ。可哀想だよポチ。だってポチ全然悪くないじゃん。」
「でも由佳、ポチだって窮屈なんじゃないのか、もっと大きな家だったら自由に遊ばせてやれるんだけど」
「そんなことポチ、気にしてないよ」
「由佳にそれがどうして分かるんだ?」
「分かるもん、ポチがそう言ったんだもん」
「でもね」
「やだ」
「みんな迷惑してるんだよ」
「ウソ、してないもん」
「由佳」
「やだやだやだゼッタイやだ」
「由佳っ」
「ポチ、ポチちょっと」
「おい由佳、止めろ、止さないか、由佳、なんてこと、ああ、あああ」