Effluents from Tomokata=H

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2003年06月18日

戦争なんて・・・

なんか、ヤバいことになってきた。全然小説書けないよ。現時点で五十七枚になっているが、ちっとも脈絡が掴めないし話も一向先へ進まず、書くほどにリアリティーが失われていくようでもう完全に袋小路に填まったといっていい。

どこで道を誤ったのかといえば、自分にはどうにも手に負えない戦争なるものが介入してきたということがその要因らしく思われる。これまで妄想なり非日常なりを手掛かりとして書いてきたが、戦争はそれらとはまるで別種の非日常だからどうにも捉えがたく、手応えが全然感じられない。

焦っても仕方がないが、小説が書けないとすべてが空廻りしてしまうから困るのだ。冗談抜きで困るのだよ。

ぺインタの不調も相変わらずで、7を使うのはもう諦めた。もうすぐ8が出るからそれに期待するしかないが、それさえ蓋をあけてみなければどうなるか分からない。今は6で描いているが、不調の7と較べて何だか反応がすごく早いように感じる。殊にペンと消しゴムの切り替えが格段に早い。7が不調になる前でもこれほど早くはなかったと記憶している。そうとすれば、7っていったい・・・

2003年06月03日

カスタムでGO!

カスタムのエラーメッセージなんぞを作ってみた。指定したファイルがないときに表示される404 Not Foundとかいうやつだ。これまではサーバ側で用意してるヤツが勝手に表示されていたのだが、それを眼にするたびその味気なさに当サイト用にエラーメッセージとかあればなあと思いつつ、何だかめんどくさそうなのでためらっていたのだ。やってみたらしかし実に簡単なものだった。

つまり表示させたいエラーメッセージのhtmlファイルを指定してやればよいだけなのだ。そのために必要なのはエラーメッセージ用のhtmlファイルとそれを指定するためのhtaccessファイルのふたつだけで、いずれもテキストファイルでいいからエディタで書ける。htmlファイルのほうはいいとしてhtaccessファイルだが、1行目に

ErrorDocument 404 /◯◯◯html↓

と記述してスラッシュのあとに指定するファイル名を書き、改行するのだが2行目には何も記述せず、「.htaccess」という名称で保存する。それだけだ。たった1行で済んでしまった。あとはその2ファイルを有効にさせたいディレクトリにFTP転送すればそれでおしまい。実に呆気ない。

こんなことならもっと早くに作っておくべきだったと今さら嘆いても遅いが、ほかにもいろいろできることはあるらしいからちっと調べてみよかしら。使えるものは有効に活用すべきだし。

註─すべてのサーバでhtaccessが利用可能かどうかは知らない。

2003年05月30日

避難せよ! 今すぐ避難せよ

そろそろ気温が高くなってきて26度を超えることもしばしばなのでクーヴェルチュール・チョコレートを冷蔵庫に避難させた。

例年に較べて今年は何だかチョコがたくさんあって冷蔵庫の棚がひとつそれらチョコで完全に塞がってしまった。菓子を冷蔵させておくスペースもないほどで、夏場になると庫内のスペース確保にひどく手間取るのだが、これではプティ・ガトーのひとつも入りゃしない。

クーヴェルチュールの保存温度は15~16度前後が最適なのらしく、冷蔵庫内はそれに較べて5度前後だから本当はこれでは低過ぎで、ワインセラーか何かがあればいいのだが高くてなかなか手が出ない。10万、20万はざらだからチョコレートの保存のためだけに買うという気にはやはりなれない。酒飲めないし。いや、それ以前に置く場所がない。

ワインセラーつきの冷蔵庫とか、どっかに売ってないかしら?

2003年05月26日

書くから描けぬのか描けぬから書くのか

毎日小説を書いている。いや、書けているのだかいないのだか、遅々として進まない展開に業を煮やしつつ些末な描写をチマチマと書き足しているというような進み行きだが、何も書けぬよりはずっとマシだとそう思うことで胡麻化している。いやウソだ、そんなことくらいで胡麻化せるはずもなく、このところだから苛々している。ペインタの不調からイラストにもまるで手をつけていないし、更新どうなることかと不安は募るばかりだが、腐っていてもはじまらないので自身を宥めて原稿に向かっている。それでも書けないものは書けないから尚腹が立つ。

とはいえまずは小説ありきなので、小説を書くしかないのだ。私の中での優先順位が小説>イラスト>製菓となっているからで、小説がうまいこと書けりゃイラストもそれなり描けるというもので、たとえ小説へのアクセスがイラストの半分しかなくてもそのことに変わりはないし向後変わることもないだろう。だから小説を書く。書くことが書けぬことから脱する唯一の方法で、書くことでしかそれから脱することはできないのだ。矛盾しているようだがそうなのだから仕方がない。

ということで今イラストを描く気には全然なれないので更新はしばらく滞ると思う。尤もここ一ヵ月イラストのほうは大した更新もしていないから今さらという気がしないでもないが。

2003年05月11日

更新せねば

現在連載中の小説『消える前』をそろそろ更新せねばとか思いつつなかなか手をつけられずにいるのは、更新の折に前回までのあらすじを書くことにしているそのあらすじを書くのが正直面倒なのだということに尽き、ここ四ヵ月の更新の滞りも偏にそのせいなので怠慢の謗りは免れないが書くにはきちんと読み返さねばならず、読み返すくらいなんだと思われる向きもあるかしれないが我ながら読みにくい文体で今度今度と思ううちにも四ヵ月がすぎてしまい、その一方で進行中の小説が思うように執筆できぬということも原因の一端として挙げられ、それはしかし言い訳にすぎず、抑も小説自体はすでに完成しているのだしHTML化もほとんど済んでいるからあとはもうあらすじさえ書けばすぐにも更新できるのに、あらすじが書けぬばかりに更新できないということでいっそあらすじなど止してしまおうかと思わぬでもないがいまさらそれもできないし、といってそれだけのために更新が遅れるのはやはり怠慢以外の何ものでもなく、読んで下さる方には大変申し訳ないが催促も督促もないのだから気にすることはないと独善的な結論を楯にこれまで通りマイペースでやるさ読者など知ったものかそんなのどこにいる、いたら出てこい、出てきやがれクソッ垂れめ、となかば自棄クソの叫びを叫んでいると「煩いな、何ひとりで叫んでんの。近所迷惑じゃないの」と男の叫びにか陽光の眩しさにか起きぬけの浮腫んだ顔をいくらか顰めて女が言い、「知るか! お前に何が分かる、お前にオレの何が・・・」と切れ切れの声が女に向けて投げられるが次第にそれは嗚咽に変わり、怺えようとするも止まらず遂には卓に突っ伏して呻くように泣きつづけるのだったが、その脇に仁王立って蔑むような視線をチラと女は向けると「見え見えだよ、笑っちゃうわ」と一言浴びせ、踵を返して洗面へ立つその背に男は何も言い返すことなくいつまでも啜り泣いているのだった、とまあこのような文体で千枚も書かれているのだから読めぬのも道理で、作者自身が読めぬものをいったい誰が好き好んで読むのだろうかと思わぬでもないが、ひとりやふたりくらいは物好きもいるだろうとの希望的推測の許、連載の休止などは夢思ってもいないので気長に待っていただければと願う次第だが、四ヵ月も更新しなければ休止も同然ではないかと言われてしまえばそれはその通りで、そのお叱りは甘受しているつもりです、今しばらくお待ち願えませんでしょうか。

2003年05月06日

イベント疲れ

五月五日、COMITIA64(同人誌即売会)へサークル参加のため行ってきたが、サークル初参加に加えて斯かるイベント自体初めてのことだからいくらか緊張していた。加えて常から人の多数蝟集する空間てのが苦手なもので、そのような馴れぬ空間に半日もいたからひどく疲れ、会場の温気に気持ち悪くなるし頭痛も頻りで帰途の車中で吐いた。というのはウソで、どうにか怺えて家で吐いた。というのもウソで、すぐに寝た。まだ後頭部に若干鈍痛があってパソコンに向かうのも実はけっこう厳しいのだが、ずいぶん楽にはなった。

斯様に私の体調は不調だったが雑誌の出来はまずまずで、私が会場入りしたときにはすでに代表のスキヨシ氏によりセッティングも完了していた。平積みされた本の見栄えはなかなか壮観で感慨も一入なのだった。モノクロだから派手さはないがいくらか心配してもいた文字線等の潰れもなく、クリアに仕上がっていて安堵した。内容についてはパラパラとしか見ていないので控えるが、パッと見では皆巧いなという印象で、それぞれ独自の世界観を発揮していてバラエティーに富んだ良い仕上がりではないかと思った次第。売れ行きはどうだったかといえば実売44~45冊というところで、多いのか少ないのか比較材料がないので分からないが、初にしては売れたほうか。とはいえ総部数からすれば僅かに20%ほどなのでかなり売れ残ってしまったから微妙だ。完売とは言わぬまでも三桁は行ってほしかったと言ったら欲張りすぎだろうか。

今回の参加で漫画製作の過酷を思い知り、また小説の原稿作り(執筆ではなくレイアウト)に予想以上に手間が掛かり、次回呼ばれたとしても参加できるかは分からない。今から準備していれば話は別だが、必ず呼ばれるともかぎらぬし。一方でその楽しさを知ってしまったのもたしかで、難しいトコだ。

ところでペインターがまた変なのだ。

ペインター7の再インストール及び7.1へのアップグレードで、描画の遅れが生じる不具合が解消したと安堵したのも束の間、快適に描けたのは最初だけでやはりまた描けなくなった。ということは原因はペインター7ではないのかもしれず、ペインター7とペンタブと何かほかの機能拡張書類がコンフリクトを起こしているのかもしれないが、それが何なのか分からないからどうにも手の打ちようがない。

非常に困った。ペインター6を使うしかないのか?

2003年04月30日

ペンタブが・・・

久々にイラストを描いたらなんだか変なことになっている。イラストを描くにはペンタブが必須だが、そのペンタブが調子悪いのだ。というかほとんど使いものにならなくなってしまった。ペンを入れてからストロークが描画されるまでに五~六秒ほどのタイムラグあり、これではイラストを描くどころではない。原因もよく分からないが、ドライバ自体は普通に機能しているようなのだが、なぜかペインターを使用しているときにのみ一部反応が鈍るのだ。ペインターには500MBと充分すぎるほどのメモリ容量を確保しているし、描画に時間の掛かるブラシを使っているのでもない。試しにVer.6で描いてみたら問題なく描画できたから、問題は現在使用しているVer.7にあるのかもしれないとハックアップしておいたものと入れ換えてみたが、結果は以前に変わりない。あるいはとタブレットドライバを最新のものにしてみたが問題の改善には至らなかった。Ver.6で描くしかないということか。

ところで現在使用しているOSはMac OS 9.2.2なのだがOS Xもインストール済みで、ふとそれではどうかと思い、再起動して試してみたらこれは問題なかった。

いっそのことOS Xに全面的に切り替えてしまえばいいようなものだが、そういうわけにもいかない。というのもOS Xはマウスが重く、最速に設定しても鈍い動きでものの数分で腕が疲れてしまって全く使う気にはならないのだ。ペンタブにしてもストロークが自分の予測した線とズレるということもあってこれも使いにくくて仕方がない。

できればOS 9を使いたいのだがいまさらVer.6に戻るのもなんか嫌だ。しかしVer.7は使えない。どうしたものかと考えるうち、Ver.7.1へのアップグレードを思いつき、それにはVer.7のアンインストール、のち再インストール、そしてアップグレードと実に面倒な手順なのでこれまで見合わせていたのだが、最後の頼みとそれを敢行したら描画の遅れは解消された。やはりアプリが変だったのらしく、ということはVer.7を再インストールするだけでよかったのかもしれないが、とにかく元に戻ってよかった。

2003年04月28日

密室で

次の小説、一六枚ほど(約6500字)書いたが、全然先が見えず行き詰まってしまった。場面を密室にしたせいか身動きとれなくなってしまったのだ。ぼんやりとながら思い描いていた当初の目論見からもどんどん離れていくようで、それでも先の見通しがいくらかなりと見えれば書きようもあるのだがいまだ手応えすらなく、脈絡のない断片のみが増えていくばかりで骨格さえままならない状態だ。とはいえ書きはじめはいつもこんな感じで、一〇枚二〇枚と書くうちには少しずつ断片を繋ぐファクターが見えてきてどうにか形になっていくのだが、今回はどうにも手応えなさすぎで、まるで書ける気がしない。イラク戦争の影響か、麻原への求刑のニュースを見たせいか密室がシェルターになり外は毒ガスで死の世界とそんなのは意図していないのに・・・

困った。

2003年04月26日

スチームパンクなの

この春からテレ東の深夜で放ってるアニメ『LASTEXILE』がいい感じで、ちょっと気になっている。一話を観てよく動くからと期待したら二話で一挙に質が低下するということはよくあることだが、二話も原画に一〇人以上割いていて一話に劣らぬ質を維持しているから安心して観られると期待している(問題は人数ではなく一人一人のスキルだ/2005年12月付記)。GONZO一〇周年記念とかで力を入れているのが分かるし『青の6号』とか『戦闘妖精雪風』とかそれなりに実績もあるらしいから尚更期待も高まる。因みにその二作品を私は観ていない。

スチームパンクといえば先行作として『天空の城ラピュタ』があり、観るとドンパチやってる飛行戦艦とかモロに被っていて、殊に作中バンシップと呼ばれる飛行機(飛行艇)もどき(翼もあるようなないような)の描写において『風の谷のナウシカ』(こちらはガンシップ)とか『紅の豚』なんかを思わせる描写があって、一抹それが危惧するところだ。さらに二話ではパンシップのレースがあるのだが、その描写が『スターウォーズEP1』丸出しだったから尚更懸念されるのだ。それでもヒトデめいた変形ロボ(人型にはならない)が出てきて異なる方向性が窺えたのでちょっと救われた思い。このヒトデもどき、しかし雰囲気がラムダ※(というよりシグマ)とかエヴァぽい。

類似点を挙げて論っても仕方がない。CGも多用してよく動くしテンポもよく、作画のクオリティーもテレビシリーズとは思えぬほどだからそれなり楽しんではいるし期待もしている。途中で失速しなければいいが。

スチームパンクといえばもうひとつ、大友の『スチームボーイ』が製作中だが、本当に今年中にできるのだろうか?

※ラムダとシグマ──ルパン三世2ndシリーズ最終話「さらば愛しきルパンよ」に出てきた人型ロボット。ラムダは有人機だがシグマは無人機。ラピュタのロボット兵の元になったもの。

2003年04月25日

書いて書いて

コミティア用の小説を仕上げてから約一ヵ月、一枚も小説を書けずにいた。何ひとつ想が浮かばないのだ。本来ならそれでも決まった時間原稿に向かうのが常で、そうすることで何某か書きはじめる端緒にもなるのだが、そうと分かりつつワープロを立ち上げもせずに一月近くを過ごしてしまった。それがさらにも書けない感を募らせる結果となってこのままずっと書けないのじゃないだろうかと落ち込んだ。

慌ててワープロを立ち上げ原稿に向かったとてすぐに書けるものでもなく、ただ真っ白い画面を眺めているだけだった。

それでなくてもここ最近書くペースが乱れに乱れてもいるからイラストのほうもあまり手に着かず、嫌な悪循環に嵌まってしまったようなのだが、それからどうやって脱するかといえば、もう遮二無二書くよりなく、書けなくても書くしかなく、ほかに手はない。そうして原稿に向かったらどうにか少しだけ書けた。とはいえまだほんの取っ掛かりにすぎず、それが今後どう転がっていくかは書いている本人にもまるで分からない。

何だか前にも同じようなこと書いた気がするが、いつだって同じことで思い悩んでいるので、同じになるのも仕方ない。書きつづけていればいずれどこかへ漂着するだろうとか安易に考えているわけではないが、そうとでも思わねばやってなんないよ。

2003年04月08日

COMITIA64とかいう・・・

どうやら抽選ということもないらしいので、ここらで正式に告知することにする。つうか宣伝だ。

来る五月五日、東京ビッグサイト東1ホールにてCOMITIA64と称する催しがあるそうで、それに参加するのだ。

サークル名は「鉄塔」、メンバーは私を含め以下のとおり。

スキヨシ Art of melancholy.

man   帝国少年

ミウ   Memorial Coin

ユータ  TERA-WEB

ということなので、よろしく。

2003年04月05日

不可知ノ世界ヲ垣間見ルコト

四月になっていくらか落ち着いたが、二月三月は忙しなく過ぎてしまった。というのも同人誌に参加することになって、そのためのモノをせっせと拵えていたからだ。とはいえ同人誌に参加することになるとは思ってもみなかった。私にとってそれは全く不可知の世界で、今以てそれは不可知で、為に幾許か不安も抱えているのだが、到底自身の生活とは交叉せぬ体のものという認識だった。誘われなければ参加することも恐らくなかっただろうし、抑もサイトを開設していなければそのような機会を得ることも決してなかっただろうことを思えば、それをしも奇縁といえるかどうか分からぬが、いやむしろ合縁というべきか、それはともかくコミュニケーション・ツールとしてのインターネット、延いてはウェブサイトの効用と少なくも見做せるのではないかと思う次第。平たく言えばサイトやってて良かったなあということだ。

誘いがあったときはひどく驚いたし正直困惑した。というのも漫画を描かないかとの誘いだったからで、漫画を描いた経験はあるにはあるが描くほどにその労苦が割に合わぬと一年近くそれから遠離っていたこともあってどうしようかとしばらく悩んだ。

漫画カット

とはいえ一方で小説を書き、他方でイラストを描いているのだから、単純にそのふたつを加算すれば漫画になりそうなものだがそうはならないのだ。漫画は普通一コマ一コマの絵的な完成度は問わないしそれが面白さに影響することもないのだが、資質として絵的な完成度を求めてしまう私にはどうも不向きな媒体なのだ。漫画カットさらに漫画には漫画それ自体の作動原理がやはりあって、連続するコマの繋がり、時間分節の緩急、視線の流れ等々、絵的な完成度より優先される事柄がいくつもある。そのためか漫画を描いても絵を描きたいとの欲求が満たされずにしまうことが多く、それが最適かどうかは分からぬながら、なかば必然的に継起する時間の表現媒体として小説を、停止した時間の表現媒体としてイラストをというようなことになったのだと思う。

斯かる乖離状態にあるなか漫画など描けるわけがないしサイトのほうも疎かにはできぬと一度は断ったのだが、小説でもイラストでも良いということでそれならばと引き受けた次第。幸い書き掛けの小説があったからそれを出すことにした。

それなのに漫画への欲念已みがたいのか沸々と沸き上がるものを抑え切れず、描きはじめてしまった。漫画をだ。自分には漫画は到底無理だと思いつつそれでも漫画を描いてしまった。枚数こそ少ないものの(何せメインは小説なのだからとこれは言い訳・・・)久々に描いた漫画。時間的に余裕がなかったせいもあり、今までペン入れまで紙だったのを今回全行程PCにて作画したのだが、ペンタッチの再現性ということに若干疑問は残るものの、総じて紙に描くより描きやすかったし作業効率もよかったように思う。これなら私にもらくらく漫画が描けるぜと奢った考えを懐くことには当然ならないにしても、それまで苦にしていたことのいくらかなりと改善されたことは確かだ。

五月のコミティアへ参加予定ということなのだが、当日のことはまだよく分からない。何せ初めてだから何が何だかさっぱりなのだ。どんな本ができ上がるのかということも含めて、待ち遠しいようでもあり、怖いようでもあり、やはりまだ落ち着かない。

2003年03月30日

「萌え」って・・・

「萌え」って何だろう?

自分ではあまり使わないということもあってその内実についてはよく分からない。あるところで「萌え」と「フェティッシュ」と「感情移入」と、その三つの様相を比較しながら説明しているのを見たが、その実態はなかなか複雑で上記三点が絡み合っているのらしく、よく理解できなかった。

いわゆるサブカルにおいて九〇年代、物語消費が潰えたのちにキャラ消費へ向かったというのが大雑把ながらその理解するところで、それが「萌え」という現象を拡大せしめた契機なのらしい。そう言われると何となくその外貌は掴めるがその実態となるともひとつ捉えられない。

ある種の図像(それのみではなかろうが)に対する感情の動きだろうくらいは分かる。私のうちにも間違いなくそれはあるからだ。とはいえ相応に抑圧されていて、当サイトにおいても萌え系の絵はなかば意図的ながらほとんど排除されている。それはそれとして「萌え」という語が広く人口に膾炙するにつれ、その語の意味するところがますます分からなくなるようだ。

「萌え」って何だろう?

2003年03月14日

妙な切迫感

三月になってなんだかソワソワしている。何となく切迫した感じが常にある。いろいろ立て込んでいて時間に追われているせいもあるかしれないが、そればかりでもないらしい。花粉のせいか?

ってゆうか今日はホワイトデー。何がホワイトだか知らないが、とにかく白いのだろう。ヴァレンタインの返礼に何某か用意するのはバカらしいが、いやそれ以前に何も貰わぬのに返礼もクソもないのだが、それに託つけてこっちは菓子のひとつも作れるなら儲けモノというものだ。

とはいえ何を作ろうか? ショコラを作ろうと思いつつ一ヵ月が瞬く間に過ぎてしまったことを思えば、やはりショコラを作るのだろうか? それともほかに何かもっと相応しいものがあるのだろうか?

「何バカなコト言ってんの、小説もイラストも全然更新してないじゃないの」不意に背後で冷ややかな声が言った。

「いやでもほら、イベントだし、時流に乗り遅れちゃマズイかなと・・・」何か言わないとさらに険しくなるのを知悉しているからとにかくオレはそう答えた。出任せだった。

「あなたもずいぶんえらくなったわねえ、やることやらないで何がイベントよ」言いながら近づいてくる気配。妙な殺気を背中に感じ、言い知れぬ恐怖ととにもゆっくりと振り返る。

何かが眼前を横切ったような風を感じたと思ったら視界から彼女が消え、次の瞬間激痛が襲った。何も見えなかった。温かい液体が目から溢れて頬を伝い流れ落ちているのを感じるが、それが涙なのかそれ以外の何かなのかはしばらく分からなかった。口吻に伝うそれを嘗めとり血と理解した。

オレはのたうちまわっていた。笑い声が、していた。

2003年03月05日

お絵bって・・・

お絵bを設置したのはいいが、このところお絵bばかり描いていて全然ギャラリ用のに手をつけてない。元来が遅筆なところへもってきてラクガキめいたものばかり描いていて果たしてそれでいいのかとその質の低下の著しさに一抹危惧を懐きもするのだが、お絵bはお絵bでまた別の楽しさがあって、ちょっとハマってしまっている。

どうしたものか?

2003年03月04日

ソラリス

先日CDを買いに出掛けた折、予定になかった『惑星ソラリス』のDVDを買ってしまった。CDにめぼしいものがなかったせいか、常なら素通りするDVDのコーナーでふと足をとめてしまい、ざっと視線を流しているうち「ソラリス」が脳裡を過って気づけば「洋画わ」を探していた。

ソラリスは以前から欲しかったのだ。それこそDVDなぞ存在しないLD全盛のころから買おうか買うまいかと思い悩んでいた。いざ買おうという段になってしかし廃盤になったのか店頭から姿を消してしまい、結局買えずにしまったのだ。それが去年十二月、新たに修復、デジタル化し5.1ch音声となってお目見えすると知り、かつての思いが再燃したりもしてちょっと気になっていた。念願というほどではないもののいくらかの感慨がないでもないそれを手にとりながら買おうかどうしようかまだ迷っていたが、今買わねばもうずっと買えないような気もし、逡巡しながらもレジへと向かい、決心のつかぬまま金を払い、商品を受けとった。その薄っぺらで軽いパッケージがそう思わせるのでもなかろうが、何だか買った気がしなかった。

それでも日の経つにつれて買ったのだとの実感は湧いてきて、それとともに早く観たいとの思いも強くなるが、全体タルコフスキーは万全の体調でないと観るのに骨だからまだそれは封も切られずラックの中だ。四方忘れることはあるまいが、長い映画だしいつ観ることになるかは分からない。

そういえばスティーブン・ソダーバーグ監督のリメイクが最近公開されたと聞くが、どうなんだろう、観たいような気もするが。

2003年02月25日

読めるかよ

『憂い顔の童子』大江健三郎著

『神聖喜劇(一)~(五)』大西巨人著

『坊ちゃん忍者幕末見聞録』『浪漫的な行軍の記録』奥泉光著

『パレード』『龍宮』川上弘美著

『抱擁家族』小島信夫著

『ぐずべり』清水博子著

『幽界森娘異聞』笙野頼子著

『スチール』織田みずほ著

『梨の花』中野重治著

『文学評論(上)(下)』夏目漱石著

『日本文学盛衰史』『君が代は千代に八千代に』高橋源一郎著

『球形時間』多和田葉子著

『愛のひだりがわ』筒井康隆著

『死せる魂の幻想』寺村朋輝著

『るりはこべ(上)(下)』『月は静かに』丸山健二著

『裸のカフェ』横田創著

『無花果日誌』『海馬の助走』若合春侑著

『椿説弓張月(上)(中)(下)』曲亭馬琴著

『近松門左衛門集2』『井原西鶴集3』

『迷路のなかで』『覗くひと』アラン・ロブ=グリエ著

『トリエステの謝肉祭』イタロ・ズヴェーヴォ著

『懐かしの庭(上)(下)』黄皙暎著

『至福のとき』鄭義著

『アンダーワールド(上)(下)』ドン・デリーロ著

『未成年(下)』『カラマーゾフの兄弟(一)~(四)』ドストエフスキー著

『ヴァインランド』トマス・ピンチョン著

『百年の孤独(新訳)』『物語の作り方』ガブリエル・ガルシア=マルケス著

『三人の女・黒つぐみ』ムージル著

『網状言論F改』東浩紀編著、永山薫、伊藤剛、齋藤環、竹熊健太郎、小谷真理著

『トランスクリティーク』『日本精神分析』柄谷行人著

『博士の奇妙な思春期』齋藤環著

『「帝国」の文学』スガ秀実著

『中上健次事典』高澤秀次著

『言語的思考へ・・・脱構築と現象学』竹田青嗣著

『分裂病と人類』中井久夫著

『グラマトロジーについて(上)(下)』『ユリシーズグラモフォン』『声と現象』『滞留』『パッション』『フィシュ』ジャック・デリダ著

『判断力批判(上)(下)』イマニュエル・カント著

『襞』ジル・ドゥルーズ著

『哲学とは何か』ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ著

『小説の言葉』ミハイル・バフチン著

『モードの体系』ロラン・バルト著

『真理のディスクール』『性の歴史(I)~(III)』ミシェル・フーコー著

『ドイツ悲喜劇の根源』『暴力批判論』『フローベール』ヴァルター・ベンヤミン著

『論議』『創始者』『ボルヘスの「新曲」講義』『伝奇集』ホルヘ・ルイス・ボルヘス著

『人間の科学と現象学』『言語の現象学』『知覚の現象学1・2』メルロ=ポンティ著

『資本論(四)~(九)』カール・マルクス著/エンゲルス編

『異教入門』ジャン=フランソワ・リオタール著

『現代文正法眼蔵(3)~(6)

『法華経(上)(中)(下)』

まだ読んでいない本がこれだけ書棚に控えている。いったいいつになったら読めるのか? 誰か私に時間をくれ。

2003年02月11日

ボンボン・ショコラでも作るか

今、世上はバレンタイン・デーを前にして浮かれ騒いでいるのだうか? 近ごろ頓に俗世間からの懸隔甚だしい私にはよく分からない。それでも例年この時期になるとボンボン・ショコラを作りたい衝動に駆られる。誰に送るでもないボンボン・ショコラを無性に作りたくなったりする。最近になってようやくチョコレートのテンパリングが失敗なくできるようになって少しく自信もついたせいか、尚更それは私を駆りたてて已まない。

とはいえショコラの扱いには神経を使うしひどく疲れることに変わりはなく、400~500gのブラン、ラクテ、ノワールと三種のショコラをそれぞれテンパリングするのはそれなり重労働だし、テンパリング後も一定温度に維持しつづけねばならないしカカオバターの溶解温度を一度でも上がったらやり直しだしチョコに水滴が入ってもダメだしで作業終わりにはもうクタクタになる。

ひとつひとつガナッシュをクーヴェルチュールでコーティングしていくのは楽しいが、ボンボン・ショコラは少量ずつ作るというわけにはなかなかいかず、最低でも一種類十五~二〇個単位くらいで作るから三種四種と作ろうと思ったら六〇個くらいできてしまう。

ってゆうか、誰かもらってくれないかしら? 味は保証できないが。

2003年02月03日

何を書きたいのか

何を私は書きたいのか。いきなりこんな問いを掲げても容易に答えられるわけはないし、ここはその場でもないだろう。

ただ、一年もサイトをやっていると少ないながら感想など頂く。それ自体は大変ありがたいことで、大いに批評して頂きたいくらいだ。とはいえ、小説については特異な文体を多用しているためか皆一様に戸惑われるらしく、その文章はイメージしにくいものなのらしい。たしかにイメージで捉えにくい錯綜した文を私は書くが、なぜそうなってしまったのだろうと自身思わぬでもない。つまるところそれはテキストから視覚イメージなり音声イメージなりを徹底して排したいということなのらしい。らしいとは私にもまだたしかなことが把握できていないからだが、言葉それ自体で何某かの陶酔に至らしめることはできないかというのが根底にあるように思うのだ。

テキストが視覚なり音声なりに依存すること、否応なしに依存してしまうことはもちろん承知しているし、それを完全に排することなどできないということも分かっている。

が、可能なかぎりそれを背景へと後退せしめ、言葉それ自体で訴えることはできないか、小説とは言葉で成るものでまず言葉ありきで、そうとすればそれ以外の夾雑物の一切を排して純粋に言葉のみで成立する小説というものも可能ではなかろうか、どうもそんなふうな欲望が私のうちにはあるらしいのだ。

一方でそれは単なる言葉遊びに堕してしまう可能性を孕んでいるし、ジョイスの悪影響ではないかと思わぬでもなく、不用意にジョイスなどに追随しても躓くのがオチだから止したほうがいいのだが、それでもそこへと向かわずにはいられないし錯綜した文で五感を狂わしめたいとの欲望は已みがたい。

道を誤った気がしないでもないが、とりあえず行けるトコまでは行ってみようかと思う。そう言いながらすぐに方向転換するかもしれないが。

2003年01月18日

何とか一年

本日、当サイトは一周年を迎えた。恙なくと言えるかどうかは分からぬが、とにかく一周年。ささやかながら小説とイラストとレシピの画像をupして記念する。とはいえ賑々しく祝賀の宴など開かない。昨日と同じ一日を静かに過ごすまでだ。こうして消え果てもせず存続し果せているだけでいい。それが何よりではないか。

人が来ようと来まいとそんなことはどうでもいい、と思いながら日々のアクセスに一喜一憂してしまうのもまた事実で、元来オレを見ろ式の自己顕示欲とは無縁なはずの私だが、こんな辺鄙なサイトながらも来てくれる方があるかと思うと嬉しいかぎりだし何がなしサービスもしようと思うから不思議だ。

アクセスログを見ると小説ページへのアクセスがイラストのそれのちょうど半分ということがいくらか寂しい気もするが、書いてるものがものだけに致し方ない。向後も以前に変わりなくひとりコツコツやるだけで、ウェブ向きのものを書く気も更々ないし改行の多い文はどうにも好かないのだ。賀すべき日に何とも低調な文で申し訳もないが、なぜかこうなってしまった。書きだしがまずかったのか?

2003年01月14日

焼き饅頭つくる

依士包皮(イーシーパウペイ)つまりイーストを用いた発酵生地、平たく言えば肉まんあんまんの皮なのだが、その生地で焼き饅頭をつくった。餡は手堅く餃子の餡を使い、それを生地で包むが餃子のように襞は取らず、焼きはしかし餃子と同様に水を差して蒸し焼きにする。肉まんとも餃子ともまた異なった味わいで、割といける。これまでにも幾度かつくってみたが、皮をより餡の味つけで難儀している。

餃子のように醤油につけて食べるのではないし皮は餃子よりもボリュームがあるしするから、それよりはいくらか塩分を高めにしないと味がぼやけてしまうのだ。

で、今回の結果だが若干塩分が高いように感じた。こちらの疲労度によっても塩分の感じ方は変わるから一概には言えぬが、辛いというほどではないにしろ、も少し抑えたほうがいいように感じたので、以下のような配合にしてみた。

依士包皮(10コ分)約360g
強力粉 100g
薄力粉 100g
グラニュー糖 7g
1.6g
ドライイースト 3.4g
水(三〇度) 120g
ラードあるいはサラダ油 20cc
ベーキングパウダー 5cc
餡(10コ分)
豚挽肉 150g
醬油 5cc
10cc
生姜汁 5cc
顆粒状中華スープ 少量
白菜 110g
長ネギ 40g
ニラ 40g
甜麵醬 8cc
胡麻油 8cc
2.5cc
胡椒 少々

皮をつくる。合わせた粉にグラニュー糖、塩、ドライイーストを加えて混ぜ、水を加えて捏ねる。纏まったらラード、なければサラダ油を加えてさらによく捏ねる。滑らかになったら油を引いたボウルに入れてラップし、25度~30度で60分発酵させる。この間に餡をつくる。

豚挽肉に醤油、酒、生姜汁、顆粒状中華スープ(本式の毛湯(マオタン)か白湯(パイタン)があればそのほうがいい)を加えて粘りが出るまでよく捏ね、冷蔵庫に入れておく(できれば前日につくって一晩くらい寝かす)。

長葱、ニラは微塵切りにする。白菜は微塵切りしたのち塩を振ってしばらくおき、水気を絞る。

ボウルに肉、野菜を入れ、甜麺醤、胡麻油、塩、胡椒を加えて軽く混ぜ合わせる(野菜から水が出るのでここでは捏ねない)。

生地を打ち粉をした台にとって軽く叩いてガスを抜き、ベーキングパウダーを加えてさらに捏ね、棒状に伸ばして10等分し、それぞれ麺棒で8~9センチに丸く伸ばす。

襞は取らずに餡を包み、サラダ油を引いたフライパンに並べ(上記配合だと26センチ径がちょうどよい大きさ。中央に1コおいて残り9コを周りに放射状に並べる)、蓋をして25度~30度で30分発酵させる。

ここからはほとんど餃子と同じで、フライパンを火に掛けて軽く焼き、水を加えて蓋をして、中火で12~15分、水気がなくなるまで焼く。

「あなたもずいぶん暇なのね」

「文句言うなら食うなよ」

「あら文句じゃないわ、誉めてんのよ」

「どこが」

2003年01月13日

できるかな?

ひとまず小説はおいといてイラストに専念しようと思い、ペインターでファイルを開いたが、なかなか思うように描けない。何だか画面の納まりが悪くて全然筆が進まないのだ。この分では仕上がりそうにないと焦りつつ、何時間も茫と画面を眺めている。

大胆に大雑把な塗りで仕上げたいと思いつつ筆を取ればチマチマと細部ばかりを弄くっている始末で、これではいつになったら仕上がるか予測もつかない。

こんなことでほんとにできるのか? 間に合うのか?

「間に合うか、じゃなくて間に合わせんのよ!」

「自信ないな」

「死ぬ気でやりゃ何だってできるわよ」

「だって死にたくないよボク」

「だいじょぶよ、あんたが死んだって誰も悲しみゃしないから」

「ミクさんも」

「何であたしが」

「やっぱり描けないよ」

「言い訳しない。さっさと描く」

「でも」

「描きなさいっ!」

「自信ないな」

「あそっ。ご褒美いらないのね、残念。疲れたからあたし帰るね」

「描くよ、ボク、描くよ」

「じゃ頑張って。あっちで待ってるから。できたら呼んでちょうだい」

私にはご褒美、あるのだろうか? 誰かご褒美、くれないだろうか?

ってゆうかご褒美って何だ、旨いのか?

2003年01月10日

そろそろ一周年…

そろそろサイト開設して一年が経つが、一周年に向けて何か用意しているかといえば何も用意していない。そんなことはないだろう、一周年というめでたい日を迎えるにあたって何の用意もせぬことなどありえない、何か用意しているに違いない、そんなふうに言っておいて驚かせるつもりだろうと思う向きもあるかも知れぬが、本当に何もない。だから焦っている。

小説の新作はあるがイラストの新作がない。一周年までにはなんとか仕上げたいと思うが、果たしてそれができるのか、ちょっと分からない。一週間あればイラストの一枚や二枚できるだろうと思うか知れぬが、何せ私は遅筆なもので一周間でも覚束ない。それなのに、このところ小説ばかり書いていてイラストはずっと手つかずのままなのだ。小説を書いているとはいっても、ただ開いたファイルを漫然と眺めているだけで全然書けてはいない。登場人物たちがうまく動いてくれないのだ。それはとりもなおさず描き手たる私が今書きつつある世界を把握し切れていないということに尽きるのだが。

いやそれよりも今はイラストを描かねば。と思いつつ今日もまた一筆も入れずにしまった。こんなことでいいのだろうか?

「そんな暢気なこと言ってていいんですか?」

「構やせん、誰も待ってなどおらぬよ」

「そんなことないですよ、待ってますよ」

「あるさ、こんな辺鄙な所へ誰がわざわざ好き好んで来るものか」

「そんなことないですよ、来てますよ」

「来ないじゃないか、挨拶くらいあってもよさそうだのに、誰も何も言ってはこないでは、ないか」

「恥ずかしいんですよ」

「子供じゃあるまいし恥ずかしいてなことがあるか」

「あなたがそんなふうに偉そうにしてるからじゃありませんか。そうして、文句でもあるなら言ってみろ俺が懲らしめてやる、みたいな横柄至極な態度でいるから。それじゃあ誰だって物怖じしてしまいますよ」

「俺のどこが横柄だ、俺は横柄じゃない」

「横柄ですよ」

「どこがだ」

「どこがって、全体がです」

「何を! こうしてくれる、えい、えい」

「何をなさいます、やめて下さい、ああ、痛い痛い」

「俺は横柄じゃない、俺は横柄じゃない」

「痛い痛い」

「横柄か? 俺は横柄か?」

「堪忍、堪忍して」

なんだか、こんなのばかりで申し訳ない。

2003年01月01日

移転したのに

以下の文章は実は移転前にupしようとして適わなかったもので、今さらここに載せることもないのだが供養のつもりでupしてみた。ちょっとした移転顛末記のようなものだが、べつに他意はない。

「なあ、どこがいいかな?」それとなく男は訊いてみる。

「どこだっていいじゃありませんか」まるで関心なさそうに答える女はこちらのほうがよほど重大とでもいうように繕いものに集中している。

女はいつも繕いものをしていた。いったい何を繕っているのか男にはさっぱり分からなかったが、薄暗い六畳間の辛うじて日の射し込む場所に陣取って、何かを繕っているのだった。その姿になぜか母を思いだしてしまうため、女が繕いものをしているのを男はあまり好かなかった。

自分を棄てた母を殊更怨んでいるということはなかったが、女の身振り仕草にどこかしら母を思わせるものがふいと垣間見えるのを男は嫌悪していた。そのせいか女の素っ気ない返答がなんだか妙に癪に触って「好かあないさ、安定したサービスを継続して提供してくれるところでなきゃあ困る」といくらか語気荒く言ったのだった。

ふいと針を持つ手を女は膝に下ろすとゆっくりと男のほうへ向き直り、「そんなゆっくり考えてる暇なんかないでしょうに。見てくださいよ、物置き見たようじゃないですか。狭っ苦しくって適いませんよ」と乱雑な部屋の有り様を一瞥して示す。

「何、これはこれで案外居心地がいいものさ」弁明の余地もなく苦し紛れにそう男は呟く。

獲たりと女はその尻を引っ捕まえて「どこがです? イヤですよ私はこんなところにずっと居るなんて。毎日毎日もう息が詰まってしようがありません。勘弁願います」と常になく興奮した体で詰め寄ってきた。

なんだか雲行きが怪しくなってきて、事態の収拾を考慮してそれ以上の抵抗をなかば男は断念しつつスゴスゴと引っ込んでしまうのも軟弱なようで「それはおまえ、大袈裟だよ」と言ってしまってからしかし女の悲痛に歪められた眼差しに気づいて戦く。

「大袈裟なもんですか。こないだだってあれですよ、大きな地震あったじゃありませんか。ガラクタの下敷きになるんじゃあないかって、あのときほど恐ろしかったことはありませんよ」

「ガラクタとはまたずいぶんと手厳しいな。みんな私の大切なこどもたちだよ、どれもこれもひとつとして粗略には扱えぬものばかりなんだ」宥めようとするもうまく言葉にできず、弁解がましいことしか出てこないのを男はもどかしく思いながら尚も言葉を連ねていった。

それを女は忌々しげに見つめているのみでもうそれ以上何も言うことはなく、針を手にとると繕いものをまたはじめるのだった。

どこだっていいと女は言うが、それじゃあ駄目なのだ、どこでもいいというわけにはいかないのだと男は心のうちに呟くと、自身の希望と懐具合とを両眼に睨み据えつつ再度ひとり沈思しはじめた。

供養ってか、ただ載せたかっただけじゃん。

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