「バカッ! ホントに当ててどーすんだよ」
「ええ? だって、でも、撃てって・・・まずかったスか。でも、撃てって・・・」
「死んじゃったら手掛かりも何も全部パーだろ、バカかお前」
「スミマセン・・・でも撃てって」
「あ〜あ、よりにもよってド真ん中かよ」
「ど、どうします?」
「生きてるか?」
「あ、ええと、まだ、息はあります」
「とりあえず応急処置だ、お前ここで見てろ」
「ええ、行っちゃうんですか、ひとりにしないで下さいよう」
「じゃお前行け、オレが見てる」
「えええ、ボクひとりでですか? 無理ですよう、運転できないし・・・」
「だからオレが行くっつてんだよバカ。いいか、余計なことすんなよ、指一本触れるな、分かったな」
「ハイ」
「チッ、何だよ、自分で撃てって言ったくせに、ボクのせいにして、いっつもそうなんだからやってらんないよ、もう。手掛かりとか何とか言ってるけどホントはこのコがカワイイからあとで手込めにするつもりだったんだ、それをボクが撃っちゃったから怒ってんだ、ウン、そうだ、そうに決まってる。美味しいトコはいっつも自分だけなんだ、ボクだってバカじゃないからそれくらい分かるさ、クソッ、アニキにばっかりイイ思いさせないぞ、ボクだって働いた分はご褒美貰う権利があるさ。これは、だから、ボクのご褒美だ、ねっ、そうだよね、きみはボクのご褒美だよね、心配しなくてもいいよ、ボクはアニキみたいに乱暴じゃないから、やさしくするよ、ウン、アニキなんかよりずっとイイと思うよ。アニキが戻ってくるまえにパパッとさ、ねっ、ほら、大丈夫大丈夫、ほら」